ベンチャーキャピタルから遺伝子検査ベンチャーのPマーク取得に関して相談を受けた。
同社は創業から半年ほどであったが、サービスが急速に広がりつつあった。本郷で遺伝子の研究をする優秀な若手研究者が立ち上げた遺伝子検査のスタートアップで投資家からも注目されていた。ただし、事業の性質上「安全性」「信頼性」が最も重要であり、この点がスタートアップの最も苦手とするところでもあった。
遺伝子検査会社のPマーク実績は当社にはない。というより、日本中どこを探しても遺伝子検査の会社はプライバシーマークを持っていない状況であった。
当社のコンサルタントにも元遺伝子研究者がいたこともあり、是非支援をしたいと手を挙げることとした。
幸運なことに、検査データを処理するシステムはかなりしっかりと作り込まれていて、IT面の追加対応は殆ど発生しなかった。キーになったのがオペレーションの文書化、検査室の物理セキュリティの強化、利用者向け規約の整備であった。
向かい風となったのは、著名な専門家の動向であった。遺伝子検査という新しいビジネス領域に対して、同社が審査を受けるタイミングで様々な議論が交わされることとなった。審査機関もかなり慎重な審査をおこなった。当社もこれまで経験したことのないほどの厳しい審査であった。
審査という最後のハードルをクリアして、同社は業界初のプライバシーマーク取得企業となった。プロジェクト開始から1年が経過していた。
<関連情報>
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